偽島R用のブログ。メインは上四万十川 蓮(715)
PMも乱入します。むしろ、してください。
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蓮の初日と併せてお楽しみください。
蓮 2日目Diary
「あれ?」
僕は地図と辺りを見比べて呆然とした。
バス停なんか全然無いじゃんか!
船を下りる前から緑が多いなとは思っていたけど…これって完全に森だよね。
こんな所に学校あるのかなぁ。うーん;
とりあえず…
どうしようか…?
しばらく考えた末、僕は目の前の道を進むことにした。
バス停を見つけないとどうしようもない。
少し進めば広い道に出るかもしれない。
と、しばらく進んでみたけどバスの通れるような道の気配が無い。
もう一度地図を確かめようとした時、茂みから何かが飛び出してきた。
「うわっ?!」
慌てた僕の目に映ったのは少し大きめの白兎だった。
「なんだ兎か」
「そこか!」
安心した瞬間また茂みから何か飛び出してきた。
今度は…金髪おさげの女の子。あ、かわいい♪
彼女の青い瞳が僕を…
「往生せいやーっ!!」
ドスの聞いた声が響き、掌が蒼白く光った。
空気がビリビリと震える。
殺られる…!
僕は、生まれて初めて、死の恐怖を全身に感じた
「ひいいい」
足が竦んで動けない!
死にたくないよぉ!
「…あり?」
蒼白い光が消えた。
空気の震動が止まる。
「はわわっ、ごめんです、NPCかとおもたですよ。」
彼女は笑いながら頭をかいていた。
殺気は消えたが、恐怖がまだ残っている所為で声が出ない。
「だいじょぶ?」
青い瞳が僕を覗き込んだ。僕は慌ててコクコクと頷く。
顔は可愛いのになぁ…あの殺気は本物だったよなぁ;
「うっかりPKするところだったっす。
でもおいらだったからいいけど、こんなトコにいたら人狩りされるッすよ。
PKK狙いでもなさそうだし…なんでこんなトコに一人で?」
変な語尾と良く分からない単語がスラスラと流れ出る。
「えーと…僕は…ペットトレーナーの専門学校の寮に行こうとして…道が分からなくて…」
「『学校』?『寮』?」
彼女は、怪訝な表情で僕を見て、それから辺りを見まわした。
「この辺にそんな物無いッすよ?少なくとも『建物』としては」
「え!マジっすか?!」
あ、語尾うつった;
「だってこの地図に…」
僕は入学案内に載っている地図を出して彼女に見せた。
「んー…これって、海岸線どこッすか?」
地図を見ながら彼女が言う。
…海岸線?
あれ?
…
そういえば
学校って
別に海の近くじゃなかったような気が…
家から新幹線の駅まで行って、新幹線降りたら2回乗換えで着くはずだったんだけど…
あれ?
船…?
…
「よくわかんないけど、人がいっぱい居る所だったら、これから帰るッすよ?」
…
「お願いします。」
僕はとりあえず、連れて行ってもらう事にした。
船は最終便だって言ってたし、ここに居ても仕方ないからね;
------------------------------
Scent of Brine ~源の場合~
「ありえねぇ…;」
俺は船のデッキでぼんやりと波を見つめていた。
ゆらゆらと揺れる波と舳先がかき分けた水の作り出す波が、複雑に絡み合う。
ありえないと口にしつつ、俺は確証を持っていた。
「新幹線降りたら2回乗換えで着くのになんで船なんだよ…」
ため息混じりに、帽子を脱いで髪をぐしゃぐしゃとかき回す。
潮風がなだめるようにそれを撫でた。
「…だからやめろって言ったのに」
「蓮が、学校行ってないって?」
正確には寮にもたどり着いていないらしい。
あの方向音痴め…;
「源、探してきてくれるかしら。」
母さんに言われ、俺はふと鏡を見た。
左右反転した自分の姿が映る。
どこかで読んだ本には『前後が入れ替わった像』とあったが、どうなんだろう。
俺と蓮は、どこまで同じで、どこまで反対なのか…
「ったく、仕方ねえなぁ」
俺の双子の兄、蓮は極度の方向音痴だ。
双子の俺が信じられないほどに迷う。
二回目以降は大丈夫だが、一回目は大抵迷う。
小学校入学の時も、友達の家に行く時も、新しく出来たゲーセンに行く時も。
誰かが手を繋いでいれば大丈夫だが、放したら迷う。
目的地が遠ければ遠いほど、激しく迷う。
そして
見つからない。
何故かわからないが、親も先生も警察も見つけられない。
そして
何故かわからないが、俺には見つけられる。
俺が探そうと思って家を出れば、蓮の歩いた道がなんとなくわかる。
それを辿れば、そこにいる。
年齢と共に行動範囲も広がり、見つけるまでの時間も距離も伸びた。
でも
怪我していたとか、泣いていたとか言う事は一度もなかった。
運がいいと言うか、度胸が有ると言うか…
そもそも、度胸がなきゃあんなに激しく迷えない気もする。
大体、これだけ方向音痴なのに
寮に入るような学校選ぶってどんな度胸だよ!
俺は何度も止めたんだ
寮から出る度に『初めて行く場所』ばっかりなんだぞ
誰かがついてきてくれればいいけどそうじゃなければ迷うんだぞ
俺はついていけないんだぞ
って
甘かったね。
寮までの道のりは『道路地図』『手書き地図』『文章』の3段構えで渡したんだが、
それでもやっぱり迷ったようだ。
付いて行った方がいいのはわかっていたが、俺も高校の入学手続きがあったから、
高校生になるんだし、寮生活なんだし、いつまでも俺が付いていくわけにも行かないし、
…
甘かった;
甘やかさないようにと思った俺が甘かったね!
何で船なんだよ!
ありえねーよ!!
陸路だよ!電車だよ!海のそばなんて通らねーよ!
前方に浮かぶ島影をにらみ、深呼吸するようにため息を吐く。
出航寸前に飛び乗ったこの船の目的地。
名前もどの辺りに位置するのかも良くわからないが、一つだけわかる。
蓮はあそこにいる。あの島から出てはいない。
さーて、お兄様はどんな迷宮に迷い込んでいるのかな
------------------------------
遅ればせながら全コメありがとうございますお疲れ様でした
>電車と船を間違えるのは、もはや方向音痴とかそういうレベルではないと思うのですが!(笑
・・・つまり今後は「乗物音痴」と名乗れば良いんですね、わかりました。(笑)
>お母さんは源さんまで戻ってこなくなってかなり心配しているのではないでしょうか。
・・・つまりお母さんもペットか応援キャラで参加しろと言う事ですね、わかりま…せん。(笑)
これ以上家族が来たら、住民票を移さなきゃいけない気になるね(嘘
「あれ?」
僕は地図と辺りを見比べて呆然とした。
バス停なんか全然無いじゃんか!
船を下りる前から緑が多いなとは思っていたけど…これって完全に森だよね。
こんな所に学校あるのかなぁ。うーん;
とりあえず…
どうしようか…?
しばらく考えた末、僕は目の前の道を進むことにした。
バス停を見つけないとどうしようもない。
少し進めば広い道に出るかもしれない。
と、しばらく進んでみたけどバスの通れるような道の気配が無い。
もう一度地図を確かめようとした時、茂みから何かが飛び出してきた。
「うわっ?!」
慌てた僕の目に映ったのは少し大きめの白兎だった。
「なんだ兎か」
「そこか!」
安心した瞬間また茂みから何か飛び出してきた。
今度は…金髪おさげの女の子。あ、かわいい♪
彼女の青い瞳が僕を…
「往生せいやーっ!!」
ドスの聞いた声が響き、掌が蒼白く光った。
空気がビリビリと震える。
殺られる…!
僕は、生まれて初めて、死の恐怖を全身に感じた
「ひいいい」
足が竦んで動けない!
死にたくないよぉ!
「…あり?」
蒼白い光が消えた。
空気の震動が止まる。
「はわわっ、ごめんです、NPCかとおもたですよ。」
彼女は笑いながら頭をかいていた。
殺気は消えたが、恐怖がまだ残っている所為で声が出ない。
「だいじょぶ?」
青い瞳が僕を覗き込んだ。僕は慌ててコクコクと頷く。
顔は可愛いのになぁ…あの殺気は本物だったよなぁ;
「うっかりPKするところだったっす。
でもおいらだったからいいけど、こんなトコにいたら人狩りされるッすよ。
PKK狙いでもなさそうだし…なんでこんなトコに一人で?」
変な語尾と良く分からない単語がスラスラと流れ出る。
「えーと…僕は…ペットトレーナーの専門学校の寮に行こうとして…道が分からなくて…」
「『学校』?『寮』?」
彼女は、怪訝な表情で僕を見て、それから辺りを見まわした。
「この辺にそんな物無いッすよ?少なくとも『建物』としては」
「え!マジっすか?!」
あ、語尾うつった;
「だってこの地図に…」
僕は入学案内に載っている地図を出して彼女に見せた。
「んー…これって、海岸線どこッすか?」
地図を見ながら彼女が言う。
…海岸線?
あれ?
…
そういえば
学校って
別に海の近くじゃなかったような気が…
家から新幹線の駅まで行って、新幹線降りたら2回乗換えで着くはずだったんだけど…
あれ?
船…?
…
「よくわかんないけど、人がいっぱい居る所だったら、これから帰るッすよ?」
…
「お願いします。」
僕はとりあえず、連れて行ってもらう事にした。
船は最終便だって言ってたし、ここに居ても仕方ないからね;
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Scent of Brine ~源の場合~
「ありえねぇ…;」
俺は船のデッキでぼんやりと波を見つめていた。
ゆらゆらと揺れる波と舳先がかき分けた水の作り出す波が、複雑に絡み合う。
ありえないと口にしつつ、俺は確証を持っていた。
「新幹線降りたら2回乗換えで着くのになんで船なんだよ…」
ため息混じりに、帽子を脱いで髪をぐしゃぐしゃとかき回す。
潮風がなだめるようにそれを撫でた。
「…だからやめろって言ったのに」
「蓮が、学校行ってないって?」
正確には寮にもたどり着いていないらしい。
あの方向音痴め…;
「源、探してきてくれるかしら。」
母さんに言われ、俺はふと鏡を見た。
左右反転した自分の姿が映る。
どこかで読んだ本には『前後が入れ替わった像』とあったが、どうなんだろう。
俺と蓮は、どこまで同じで、どこまで反対なのか…
「ったく、仕方ねえなぁ」
俺の双子の兄、蓮は極度の方向音痴だ。
双子の俺が信じられないほどに迷う。
二回目以降は大丈夫だが、一回目は大抵迷う。
小学校入学の時も、友達の家に行く時も、新しく出来たゲーセンに行く時も。
誰かが手を繋いでいれば大丈夫だが、放したら迷う。
目的地が遠ければ遠いほど、激しく迷う。
そして
見つからない。
何故かわからないが、親も先生も警察も見つけられない。
そして
何故かわからないが、俺には見つけられる。
俺が探そうと思って家を出れば、蓮の歩いた道がなんとなくわかる。
それを辿れば、そこにいる。
年齢と共に行動範囲も広がり、見つけるまでの時間も距離も伸びた。
でも
怪我していたとか、泣いていたとか言う事は一度もなかった。
運がいいと言うか、度胸が有ると言うか…
そもそも、度胸がなきゃあんなに激しく迷えない気もする。
大体、これだけ方向音痴なのに
寮に入るような学校選ぶってどんな度胸だよ!
俺は何度も止めたんだ
寮から出る度に『初めて行く場所』ばっかりなんだぞ
誰かがついてきてくれればいいけどそうじゃなければ迷うんだぞ
俺はついていけないんだぞ
って
甘かったね。
寮までの道のりは『道路地図』『手書き地図』『文章』の3段構えで渡したんだが、
それでもやっぱり迷ったようだ。
付いて行った方がいいのはわかっていたが、俺も高校の入学手続きがあったから、
高校生になるんだし、寮生活なんだし、いつまでも俺が付いていくわけにも行かないし、
…
甘かった;
甘やかさないようにと思った俺が甘かったね!
何で船なんだよ!
ありえねーよ!!
陸路だよ!電車だよ!海のそばなんて通らねーよ!
前方に浮かぶ島影をにらみ、深呼吸するようにため息を吐く。
出航寸前に飛び乗ったこの船の目的地。
名前もどの辺りに位置するのかも良くわからないが、一つだけわかる。
蓮はあそこにいる。あの島から出てはいない。
さーて、お兄様はどんな迷宮に迷い込んでいるのかな
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遅ればせながら全コメありがとうございますお疲れ様でした
>電車と船を間違えるのは、もはや方向音痴とかそういうレベルではないと思うのですが!(笑
・・・つまり今後は「乗物音痴」と名乗れば良いんですね、わかりました。(笑)
>お母さんは源さんまで戻ってこなくなってかなり心配しているのではないでしょうか。
・・・つまりお母さんもペットか応援キャラで参加しろと言う事ですね、わかりま…せん。(笑)
これ以上家族が来たら、住民票を移さなきゃいけない気になるね(嘘
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