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「じゃあこの先どうするんだ?っていうか俺はこの先どうなるんだ?」
「まーまー源。猫も肉球も大好きだったじゃない。」
「だー!俺の肉球をプニプニするなっ!!」
ここは遺跡外の最終打ち合わせポイント。
源はすっかり蓮に遊ばれているんだな。
しかし先を決めるのは大事なんだな。
「南の方は森と山で、西に行ったら平原だね。」
ルシアが地図を指してそう言ったんだな。
この地図は魔法の地図で、この魔法の地図を持っているパーティー全部の情報が共有されるんだな。
たとえばボク達がある場所に留まっていても、他のパーティーが未開の地を探索したら、そこの様子がわかるようになっているんだな。
ウズマサはこれを見て、『カーナビ』に似ていると言っていたんだな。
ボクはカーナビがよくわからなかったけれど、なすびの親戚とは違うんだろうと思ったんだな。
「森や山は治安が悪いんだな。最初は冒険せずに、平原に行ったほうがいいと思うんだな。」
「僕も平原がいいな。可愛い歩行雑草とかいるかもしれないし。」
「おー、ザッソー。拙者モ平原行キニ賛成デゴザ候。草ヲ喰ラワバさらだデ、ネ。」
「ふむふむ。じゃあ進路は西で。」
「金さん、好戦度はあげま…」
「せん。」
「がっくし。」
わざとらしくうなだれるルシアをの背中を、ウズマサが笑いながら叩いている。
「こちらも好戦度は通常でいいレター?」
「OK。」
「見通しがよさそうレター。実に配達・収集がしやすそうレター。」
「可愛いコがいるといいなあ。」
「それじゃあ、早速お弁当を作るんだな。」
ボクはまず、お腹がすいていそうだったウズマサと8号、それとボクの分のお弁当を作ったんだな。
「中華風の揚げパンなんだな。中にラーメンを入れているんだな。塩と醤油と味噌の三タイプなんだな。」
二人は嬉しそうに受け取ってくれたのでボクも嬉しかったんだな。
向こうの方で、「おいらはどっちかといえばとんこ…」と呟いたルシアの口を、慌てた様子で源と蓮が塞いでいたんだな。
…上機嫌なボクには聞こえなかったんだな。
「ほい、じゃあくっつけるよ。」
料理の片付けをしていたボクのところにテンがやってきたんだな。
「ちょっと古くなった草と、一番上に積んであるパンでお願いするんだな。」
「りょーかい。」
くっつけるというのは合成をする、という意味なんだな。
テンはボクと8号と自分の鞄の中身からいくつか物を出しては合成をしていたんだな。
「はーい、大事にもっといてね。」
テンが渡してくれたのは、お玉一杯分くらいの黒くてごつごつしたよくわからないものなんだな。
テンは『どうしようもない物体』だと言っていたんだな。
ボクはこれを見るたびにいつもトリュフのようだと思うんだな。
(ガリッ)…食べられないんだな。
「それじゃあ、8号とウズマサとルシアにに何か作ってもらおうか?」
それから、ボク達六人は車座に座って、転がっている三つのどうしようもない物体を見ていたんだな。
一つはボクのものなんだな。
ボクは防具が欲しかったのでそれを言おうと思ったら、8号が手を上げたんだな。
「我々はお金持ってないレター。作製はできるのでありますか?」
「「…あ。」」
すっかり忘れていたんだな。
作製にはお金がかかるんだったんだな。
料理にはお金がかからないので気づかなかったんだな。
「ご、合成物は、各自で持っておくこと!」
少し照れたようなテンの声に従い、ボクはトリュフもどきを鞄にしまったんだな。
ボク達が準備をしている間に、「その時」はすぐに来たんだな。
遺跡への道が解放されて、ぞろぞろと魔法陣を潜って行くものすごく沢山の探検者達。
ボク達のパーティーは、ルシアとウズマサとボクの「金・髪」組と、テンと蓮&源と8号の「あわせて足何本?」組に分かれたんだな。
「おいーっす!」
「やー。時間ドオリノ丑三ツ時デゴザル。」
「何処に牛がいるんだな?」
集合予定地にはやっぱりすごい数の人があふれていて、集合時間ぴったりにボク達が集まれたのは若干奇跡を感じたんだな。
そして。
「こいつらもやっぱり集合するのね。」
「試シ切リデース。ソコニ直レ!」
ルシアとウズマサが自分の武器を取り出しながらそう言ったんだな。
ボク達の目の前には、中型の野犬と歩行雑草が二匹。
もちろんやっつけなければ先には進めないんだな。
さーて、ボクの中華鍋をたっぷり味わうんだな!